指輪の作り方の違いって知ってる? これであなたも指輪博士

実は指輪には様々な作り方があるのですが、作り方による違いはご存知でしょうか。ここでは2つの指輪の作り方を紹介しています。

はじめに

指輪には、さまざまな作り方があるのをご存知でしょうか? 今回は、鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)という2種類の技法についてお話します。それぞれ長所短所があるので、その違いについてご紹介します。

●鍛造とは?

歴史ものの映画のなかで、鍛冶屋が熱して赤くなった金属を叩いて刀や斧を作るシーンをみたことはありませんか? 金属の塊を叩き、伸ばすことで、硬く頑丈な金属ができあがります。それと同じようにして指輪を作るのが鍛造です。金属をつちで叩き圧力を加えて、素材を伸ばしたり棒状にしたりして、そこから少しずつ指輪の形を作っていきます。鍛造にもいくつか種類があり、今ご紹介したような伝統的な技法もあれば、プレス機で金属に圧をかけ圧縮し、指輪の形に成形していく方法もあります。鍛造で作った指輪の特徴は、金属に圧力をかけた分、丈夫で密度が高いこと。手に持った時にずっしりとした重厚感も感じられ、変形にも強いのが長所です。ただ、工程上、細かなデザインを施すのが難しいので、まっすぐでシンプルなデザインが主になってきます。また、作る人の腕次第で、仕上がりが変わってくるので、それもまた指輪の味になり魅力的です。

●鋳造とは?

より複雑なデザインの指輪にしたいという方におすすめなのが、この作り方。金属を高温で溶かし、液体にしたものを、指輪の型に流しこみ固める方法です。今は型をコンピューターなどで作れるので、熟練の職人でないとできないような0.1ミリ単位の細かなデザインの指輪を作ることができます。ただ、しっかり叩いて金属の硬度を上げている鍛造に比べると、どうしても素材が軟らかくなるため強度が低くなってしまうという短所があります。とはいえ、指輪として身に付ける分には十分問題のない強度はありますし、一流のジュエリーブランドでも鋳造で作っているところは多いので、安心して日常使いができます。また、型さえ作れば同じデザインのものを大量生産できるので、鍛造の指輪に比べて、比較的手ごろな価格で購入することができる場合があるのも、鋳造のいいところです。

それぞれメリットとデメリットのある指輪の作り方。強度を重視してシンプルなものにするのか、デザインと価格を重視するのか。今度指輪を買う時にはその技法にも注目してみてはいかがでしょうか?

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